【スタイル】トラピストビール
濃厚でかなり特徴的な甘い芳香のある、クセの強いエールビールの一種。
ベルギーの修道院発祥で、現在でも特別な認可を受けたいくつかの修道院でしか醸造されていない。
もともとは、西欧で流行した疫病に対して、生水よりも安全性の高いビールを飲み水として飲むように聖人が民衆に勧めたものだという。
その売り上げは、修道院の運営か慈善団体への寄付に充てられており、営利目的での販売は許されていない。
液色は濃いことが多く、特に濃厚なものは濃い茶色をしていることもある。
種類によって味わいは異なるが、代表的にはトラピストビール特有のかなり独特な芳香を持っている。
それは花の香りのように濃密で甘く、一方で有機溶剤のような刺激的な風味でもある。
この香りのせいで、好き嫌いははっきり分かれそうだ。
アルコール度数は8%程度あるものが多く、味も濃い。
甘味とコクは特に強く、苦みは麦由来というより熟成感のある複雑な苦みを持つ。
冷やしすぎると、その複雑な味わいが毒物の苦みのように感じられる。
あまり冷やしすぎないで飲む方が良い。
かなりどっしりしているため、一度にたくさん飲めるものではない。
輸入ビールしかないので、値段は高め。
おすすめ:☆3/5(数寄者にはぜひ飲んでほしいが初心者向けではない)