酒のイドラ

クラフトビールをレビューします。

トンゲルロー ブロンド

爽やかな甘さとスッキリさ。

揮発感のある香りと同時に濃厚な甘みがあるが、くどくなくスッキリとしている。

液色は透明感のあるオレンジ。

風味は複雑で筆舌に尽くしがたい。

苦味は弱く、ホップ系の味や香りはほとんどない。

麦由来の甘さが勝っていて、どこかフローラルな香りの印象も受ける。

トラピストビール系の味わいをわずかに感じる。

 

うまさ:☆4/5

おすすめ:☆5/5

コエドブルワリー INDIA PALE LAGER 伽羅

IPA(インディア・ペール・エール)ならぬIPL(インディア・ペール・ラガー)。

キリッとしたくどくない苦味がハッキリしていてよい。

IPAのような濃厚な柑橘っぽいフルーティーさが飲んだ瞬間にあるが、すぐにすっと引いていき、キレの良い苦味が後味に残って甘さはほぼない。

IPAよりスッキリしているのはラガーらしい。

 

うまさ:☆3/5

おすすめ:☆4/5

ホフブロイ ファンタジア・ゲホプフター・ハロードリ

非常にキレとのどごしがいい。

ピルスナーだろうか?

ふんわりと香るフルーティーさはあるが、後に残る苦味はほぼなく、ほの甘さがある程度。

さして特徴があるわけでもないが、雑味もない。

ドイツからの輸入ビールで、値段が高い。

 

うまさ:☆3/5

おすすめ:☆2/5

【ブルワリー】ベアードブルーイング

静岡県のブルワリーで、ブライアン・ベアードとさゆりの夫妻によって設立された。

版画で刷られたラベルが特徴的で、これはアーティストの西田栄子によって制作されている。

非常にたくさんのビールを出しており、季節限定品も多い。

 

味は極めて良い。

繊細な味のバランスを取るのが非常に上手く、あらゆる材料からあらゆる味を引き出す術を持っている。

変わり種のビールからは、優れた味のバランス感が特にはっきりと感じられる。

 

ビールのネーミングが独特で、1本1本のビールにはっきりとしたコンセプトがあるのが分かる。

そのコンセプトを踏まえてラベルを見、ビールを味わうと、単に美味しい/不味い超えた意味をビールに見出すことができる。

つまり、ベアードブルーイングのビールはアート作品だと言える。

風景画に似ている。

 

名前に「日本」を冠するものが複数あるが、それらは総じて派手な味ではなく、あっさりしていて滋味がある。

 

値段は高く、一本5~600円以上する。

 

総合的うまさ:☆上限突破

総合的おすすめ:☆5/5

【スタイル】ペールエール

強い苦みと柑橘系のフルーティさを特徴とするエールビールの一種。

イギリス発祥だが、その後アメリカに渡ってから世界的に人気となった。

 

ホップの香りが強く、酸味や苦み、甘みなど全体的に味が濃い。

アルコール度数もやや高め。

ホップに由来する柑橘系のフルーティさが特徴的。

味はIPAに似るが、IPAよりはホップが少なく、麦の味が感じられる。

IPAに比べれば大味でなく、主張も控えめなことが多いが、それでも全体と比べれば味は濃い部類だ。

 

おすすめ:☆4/5

【スタイル】トラピストビール

濃厚でかなり特徴的な甘い芳香のある、クセの強いエールビールの一種。

ベルギーの修道院発祥で、現在でも特別な認可を受けたいくつかの修道院でしか醸造されていない。

もともとは、西欧で流行した疫病に対して、生水よりも安全性の高いビールを飲み水として飲むように聖人が民衆に勧めたものだという。

その売り上げは、修道院の運営か慈善団体への寄付に充てられており、営利目的での販売は許されていない。

 

液色は濃いことが多く、特に濃厚なものは濃い茶色をしていることもある。

種類によって味わいは異なるが、代表的にはトラピストビール特有のかなり独特な芳香を持っている。

それは花の香りのように濃密で甘く、一方で有機溶剤のような刺激的な風味でもある。

この香りのせいで、好き嫌いははっきり分かれそうだ。

アルコール度数は8%程度あるものが多く、味も濃い。

甘味とコクは特に強く、苦みは麦由来というより熟成感のある複雑な苦みを持つ。

冷やしすぎると、その複雑な味わいが毒物の苦みのように感じられる。

あまり冷やしすぎないで飲む方が良い。

かなりどっしりしているため、一度にたくさん飲めるものではない。

 

輸入ビールしかないので、値段は高め。

 

おすすめ:☆3/5(数寄者にはぜひ飲んでほしいが初心者向けではない)